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双鸞さん猊天馬文八稜鏡
狩猟文八稜鏡
盤龍鏡
貼銀鍍金飛禽唐草六花鏡
貼銀禽獣唐草八稜鏡
双鶴対鴛鴦文八稜鏡
月宮図八稜鏡
高士弾琴八稜鏡
孔子・栄啓奇問答鏡
連生貴子文八花鏡
鳳凰文鏡
八卦十二支文鏡
 
盤龍鏡
盤龍鏡

一匹の龍が鈕の回りに体をうねらせている。鈕を玉に見立てているかのように、振り返ってかっと口を開き、鋭い三爪の爪を見せ、鱗に覆われた全身はいかにも躍動感に満ち溢れている。頭上の二本の角、首から背中に続く鬣(たてがみ)、高く跳ね上げた後ろ足に巻き付いた尾の表現も、いかにも威厳に満ちた 龍の表現にふさわしいものである。
「新唐書・地理志」によると、唐代に貢納品として鏡を献上していた地区は、江蘇省揚州と山西省 并州の二か所で、揚州から献上品に盤龍文の鏡が見える。玄宗皇帝がこれを珍重したことが文献に記されており、白居易も「新楽府・百煉鏡」でその輝きを称えている。
この盤龍文鏡の・鏡には、外区に「千秋」の銘を持つ例が多く認められる。玄宗皇帝の誕生日(千秋節)に四品以上の臣下に下賜した鏡は龍鏡であった事が知られており、まさしくこの形式の鏡に相 当しよう。


貼銀鍍金飛禽唐草六花鏡
貼銀鍍金飛禽唐草六花鏡

袖珍(しゅうちん)鏡などとも呼ばれる、今で言えばコンパクトにあたるような小型の鏡。分厚い六花(ろっか)形の周縁 をした素文の鏡に、文様を打ち出した銀板に金メッキを施して嵌(は)め込んでいる。
中央の鈕と鳥や花枝は背面から鎚(つち)でたたいて銀板を延ばして浮彫(うきぼり)風に浮かびあがらせたもので、地 には魚 子( ななこ)と呼ばれる小円をぎっしりと打って敷きつめている。
唐代は西アジアから流入した金銀器の製作技術が頂点を極めた時期で、本鏡はその技術が鏡に導入 されたものである。銀貼鏡(ぎんばりきょう)は平脱 へいだつ 鏡・螺鈿(らでん)鏡とともに宝飾背(ほうしょくはい)鏡とも称される。盛唐代には、単なる鋳造の青銅鏡には表現できない、一層の装飾性と色彩的華やかさが鏡に求められたものと思われる。





     
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